バイオインフォマティクスのおすすめ書籍紹介
バイオインフォマティクス関連のおすすめ書籍を紹介します。
バイオインフォマティクスを勉強している中で、「参考になる本が知りたい！誰か教えて！」と思うことが頻繁にあります。専門的な分野なので書籍自体の数も多くない上に、Amazonのレビュー数も少ないです。そこで、私が読んだ範囲内で参考図書の紹介をします。
これら以外に、読者の方で遺伝統計学、ゲノム関連解析、バイオインフォマティクスで使うツールのプログラミング等の良書を知っている方がいれば、コメントで教えて下さると大変嬉しいです。新しく読んだ本の情報を随時更新していきます
注意事項: みなさまの研究に必要としているものと、私が欲している情報が完全に一致することはないと思います。従って、おすすめ度は現時点（勉強を初めて半年程度）の私が感じた評価です。
Twitterで記事の更新をお知らせしているので、興味を持たれた方は是非フォローをお願いします。
フォローする @harrykun_blog
[ブログ主が読んで参考になった本]
1. RNA-Seqデータ解析 WETラボのための鉄板レシピ
おすすめ度 ★★★★★
バイオインフォマティクスの全くの初心者が初めに手に取る本として最適だと思います。 Macを買ったところから、Biocondaの導入方法や、Rのインストール方法は本書をなぞっていけば誰にでもできます。 扱っているのRNA-seqなので、DNAの解析を始める人には本書だけでは不十分ですが、HISAT2, STAR, Salmonを使ったmappingのやり方が非常に丁寧に説明されており実践的に習得できます。また、TCCを使ったGUIでの発現解析やMetascapeやDavidによるエンリッチメント解析方法も掲載されています。論文の投稿に不可欠なゲノムデータをDDBJに登録するやり方も記載されていて有用です。
2.生命科学データベース・ウェブツール 図解と動画で使い方がわかる! 研究がはかどる定番18選
おすすめ度 ★★★☆☆
様々なウェブツールの使い方が豊富な画像を使って説明されています。ツールはどれも有用なものですが、まとまり？はあまり無いように思われるので、目次を確認して知りたいツールが多く含まれているのであれば購入する価値があると思います。
3. ゼロから実践する 遺伝統計学セミナー〜疾患とゲノムを結びつける
おすすめ度 ★★★★★
大阪大学の岡田先生が毎年開催されている遺伝統計学の講座内容をまとめた本。GWAS（ゲノムワイド関連解析）について、初心者が知っておくべき内容が大変わかりやすく解説されており、個人的に非常におすすめしたい本です。実習用のデータも充実しています。先生のHPに講義資料を公開されていらっしゃるので、気になる方は、購入前にそちらを確認されるといいと思います。
4. Dr.Bonoの生命科学データ解析 第2版
おすすめ度 ★★☆☆☆
私は第１版しか持っていませんが、他の本とは異なっている印象を持ちました。通読すると、バイオインフォマティクスでよく使われるデータベース、扱うファイル形式の紹介、解析の流れなどが何となく整理されると思います。本書と下の実践道場には、ローカルブラストと系統解析の方法が書かれていて参考になりました。
5. 生命科学者のためのDr.Bonoデータ解析実践道場
おすすめ度 ★★☆☆☆
私の今いるアメリカの研究環境では、参考になる部分があまり多くないように感じました。初めて全ゲノムを使った解析に取り組まれる方には一番上の「RNA-Seqデータ解析」の方が取り組みやすいと思います。本書には、「RNA-Seqデータ解析」で扱っていない、配列類似性検索(BLAST)、系統樹作成、タンパク質のドメイン解析(HMMER)についての記載があるので、その点で勉強になりました。
読んでる途中の本
1. 遺伝統計学入門 (岩波オンデマンドブックス）
2. 実戦でわかる! Rによる統計遺伝学 (丸善出版）
Rのおすすめ書籍紹介
eupatho-bioinfomatics.hatenablog.com
興味のある本（購入予定)
1. 次世代シークエンサーDRY解析教本 (学研メディカル秀潤社)
数年前に、ちょこっとRNAseqをかじってみようと思った際に買って読みました。 いつの間にか改訂版の第2版がでていることに気づきましたので、そのうち買いたいと思います。
今後も随時追加していきます。
